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本棚はなぜ動くのか?
それは、キャスターがついているからである。 ------------------------------- ひとつの概念として、「精神」と「物質」を切り離す。 更にもう一つ。「精神」を動的な「思念」と静的な「意志」に切り離す。 「思念」は種であり、 「物質」という土に種が根を張る時、 「意志」という芽が出る。 なれば、ひとつの疑問として。 その「物質」に、土となるための資質があるとすればそれは何か。 それはおそらく、 「生命」という、曖昧な波がゼロでないことだろう。 波は誰によって生み出されるのか? その原始は、必要に迫られれば「神」と定義できるだろう。 しかし、今においては「母」が生み出すものだ。 逆に。 その「生命」の「母」さえいれば、 すべての「物質」は「思念」の種を受け、「意志」を芽生えさせるのだ。 ある少数民族に、そういった能力が伝わっているという。 まるで幽霊かなにかとともに暮らしているかのように、 家具が動き、人形が話しかけ、人と同じくそこに息づくのだという。 この世界にありふれたすべての「思念」が、 今ここに立つ「己」を作るのだ。 ----------------------------------- イスマは今日も、島を本を抱えて歩いていた。 手押し車があったら便利だなあとか、 そんなことをぼんやりと考えながら。 本の魔女、サトゥルナ。 生涯の中で自宅に10万の書物を置き、 その全てを読破したと言われる。 俗世を嫌い、森の奥の家にこもってのち、 その姿を見たものはない。 家の周囲には、異界より現れた不気味な魔物たち。 勇士が退治するも、その数は減らず。 ついに討伐隊が結成され、家の中へと立ち入ることに。 しかし、その家に踏み入ったのち、帰った者はいない。
いつの間にかシェルフが側にいて、 その傍らで落ちた乾いた重い音。 シェルフから落ちた本の音だった。 ささやかな自己主張。 拾って読むと、「彼女」の名があった。
シェルフに乗っている以外は、なんでもないただの幽霊らしい。 …どうして僕にも見えたんだろう? 首を傾げながら、今日も本を運ぶ。 遺跡の外の店の前にシェルフはいた。
笑顔で手を振るサトゥルナさんも。 …えっと、これ。 新しい友達ができた…のかな? PR |
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